山崎勝男 (スポーツ科学学術院 スポーツ科学部長 2004年10月1日)
この度,懸案の 「スポーツ科学研究」 がオンラインジャーナルとして発刊される運びとなりました。いよいよ早稲田大学所沢キャンパスから、スポーツ科学の情報を日本全国はもとより、世界に向けて発信する誠に喜ばしい事態を迎えたことになります。
この 「スポーツ科学研究」 の発刊につきましては、編集委員会で相当の議論をしました。当初は従来型の紙媒体で、コンテンツも従来型を踏襲するのが妥当ではないかという意見もありました。しかしながら、このスタイルを採る限り、何ら面白みがなく、多様な情報は発信できないという意見も多く出されました。そこで発想を転換し、最終的にジャーナルの性格は実験室的研究から踏み出したものにしようということにまとまりました。
編集委員会の案内によりますと掲載する論文のカテゴリーは、(1) 実践報告、(2) アイデア、トッピクス、(3) 原著論文、(4) 授業研究、(5) 解説記事、資料となっており、研究とフィールドのリンクを目指したことが明らかです。この編集方針は、以下に示す学部設立の理念や目的と合致するように思われます。
早稲田大学は第 10 番目の学部として、2003 年 4 月にスポーツ科学部を誕生させました。学部設立の理念は、「スポーツ文化を創出し、人間の幸せに貢献する」ことであり、スポーツ科学部が目指す目的は、1) 国際的に通用する選手を作り出す人材の育成、2) 怪我の管理やコンデショニングを適切に指導出来るハイレベルのトレーナーの育成、3) スポーツビジネスを担える人材の育成、4) 少子高齢化社会における健康の維持と管理が出来る人材の育成、5) スポーツによって生活の質を高められる人材の育成、としています。これらの目的を達成することは、またスポーツ科学に寄せられている社会的な要請でもあります。それらを端的にまとめますと、スポーツニーズ、ソーシャルニーズ、パーソナルニーズとなります。
このようなニーズに応えて、「スポーツ科学研究」 というオンラインジャーナルを発刊する所以も、まさに私達の具体的な努力の強化を自ら願ってのことであり、同時に、これを通して新しい 「スポーツ科学」 の情報交換の場が実現されれば幸いと願っております。編集委員長の言にもありますように、「スポーツ科学研究」は誰でも、何時でも、何処からでも自由に投稿できる開放的なオンラインジャーナルとなっております。多くの方々からのご指導、ご鞭撻を賜り、今後この 「スポーツ科学研究」 がスポーツ科学の先駆的役割を果たす機関誌に育っていくようご支援、ご協力をお願い申し上げる次第です。■
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